ファンド活用という手法を知っていればと残念がっている。

聖史です、創業者の孫だった前社長は事業承継と後継者探しをAPに依頼し、株式譲渡後はきれいさっぱり身を引いた。
塚原社長はネット通販も充実させることで次の冬は今冬の2倍の2千トンを仕入れる。
年商も5年で5倍の100億円にしたいと意気込む。
APは中規模の和製ファンドだ。
ファンドと言えば外資系を中心に不振に陥った大企業を買ってリストラする手法が知られるが、地方の中小の駆け込み寺は中小規模の和製ファンドになる。
買収額も数十億円が多い。
ファンドが提供するのは人材だけ ではない。
中古トラック輸出のカントクグローバルコーポレーションは昨年10月、日本産業推進機構の出資を受けた。
将来を見据えた後継者不足がファンドの出資を仰いだ発端だが、高橋成江社長の真の悩みは海外勢との競争激化にあった。
NSSKは津坂純社長を筆頭に米大手ファンド、TPGキャピタルのOBがずらりと並ぶ。
豊富な海外ネットワークを背景に新規販路の開拓に着手し、早くも長年の目標だったベトナムへの本格進出にメドを付けつつある。
空港や港での中古特殊車両の引き取り販売など新規事業への期待と自信もわいてきたと高橋社長は話す。
創業者である父の夢だった株式上場へ成長を加速する。
カタログギフトの大和の荒井博前社長は後継者難から一昨年秋に東京海上 キャピタルに株式を譲渡した。
事業会社などからも買収を提案されたがライバルには売りたくない。
仕事にも口を出すだろうとしてファンド傘下を選んだ。
荒井氏は最近、地元のある企業が廃業すると聞いた。
価値ある会社だったのにもったいない。
ファンド活用という手法を知っていればと残念がっている。